つぶsと愉快な仲間たち Member List
Profile : hiren
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hiren さんの日記。(5件表示)
小団円
(open)
06/11/23 13:08(4)
チャイムの音に耳をピクリと反応させる猫スケ。
そのままゆっくりと俯いてしまいおった。
「む、なんじゃ忙しいときに。また客かの。」
こつぶらが帰ってきたのかもしれん。
客じゃったとしても、どんな用事か分からんが、時が時じゃ。
少し失礼じゃが今日は引き取り願ってそれからつぶらを探しに行くかの。
「はーい、今行きますじゃ」
猫スケの横を通り過ぎドアに向かう。
がちゃ
ドアの向こうには・・・・
誰もおらなんだ。
念のために下のほうにも視線を向けるが、つぶらの姿も見えんかった。
「?変じゃのぅ」
まぁええ。
ドアを閉めて部屋に戻って出かける準備をする。
準備といってもそれほど持っていくものもないがの。
帽子とコート。
それにいざというときのための護身用にブロンズソードを背中に忍ばせておく。
準備をしながら猫スケをチラリと見るとまだ部屋の真ん中で俯いたままじゃった。
ちょっとキツく言い過ぎたかもしれんのぅ・・・
「あー、猫スケ。さっきはちょとキツく・・・」
「わかった。本当のことを言うよ」
意を決したように顔を上げ、こちらに向き直る猫スケ。
「?」
「爺、落ち着いて聞けよ・・・あの子達はね・・・」
そこで息を吸って間をおいた。
「・・・家出したんだ」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・な・・
な・・なな・・・・なななななな
「なんじゃとぉぉおおおおオオオっっ!!??」
ビュンっ!と猫スケの肩を掴み、ガックンガックン揺する。
「どういうことじゃっ!?家出ってどういうことじゃっ!?どういうことじゃ家出って!?」
「まーまー、だから落ち着きなってー」
頭をカクカクと揺らしながら答える猫スケ。
「孫らが家出と聞いて落ち着いておられるかいっ!!説明せい猫スケ!」
肩に置かれた手を払うと、コホンと小さく咳払いをしてから話し始めた。
「今日ね、街であの子達とマリエルさんが買い物してるの見たんだよ」
そういえばモグもつぶらはマリエルと出かけたとゆーておったの・・・
「で何か様子がおかしかったからさ、聞いてみたの。『どうしたんですかー?』って」
「そしたら何て言ったんじゃ!?」
「そしたら・・・」
ううっ、と泣き声をこらえるような大げさな仕草で顔を背ける猫スケ。
「そしたらあの子達・・・『もうじぃちゃんと一緒に暮らしたくないデス!出て行きますデス!その準備デス!さいなら!』って・・・」
「あ、あの子らがそう言っておったのか!?」
ヨロヨロと後ずさり、椅子に力なく座り込んでしまう。
「うん。何か怒らせるようなこと、したんじゃないの?」
お、怒らせるようなこと・・・何かしたかのぅ・・・
頭を抱えて考え込む。
あ!あれか、おおつぶのお気に入りのマグカップをうっかり割って泣かしてしもーたことか!?
いや、しびきちが合成しとるときに大声で呼んでクリスタルが割れたときも涙目で睨まれたような・・・
もしくは昨日冷蔵庫に入れといたこつぶのプリン食ってしもーたことか!?
考え出すと色々と思い当たることが浮かびだしてきよる。
あぁ・・・ワシは・・・ワシはどうすれば・・・
「何してんのさ」
猫スケの声に頭を上げる。
「早く探しに行きなよ」
「しかし・・・ワシを嫌って出て行ったとなれば・・・」
「さっき自分で言ってたじゃない。あの子達はワシが面倒見なきゃいけないって」
「・・・・・」
「爺がそんなんでどうするんだよ。あの子達が本当に頼れるのは爺だけなんじゃないの?今頃どっかで泣いてたらどうするのさ」
・・・そうじゃ。何を考えることがあるんじゃ。
あの子達はワシの家族なんじゃ。
血のつながりなど関係なく、家族なんじゃ。
親は子にどう思われようとも、子を育てるもんなんじゃ。
頼られるべき親のワシがこんなんでどうする。
ワシは・・・自分が恥ずかしいわい。
椅子からスッと立ち上がる。
「ワシは・・・探しに行くぞぃ!」
「うん。あの子達もちゃんと話せばわかってくれるさ」
猫スケは満足そうに頷くとそう言って玄関に向かった。
しかしこの広い街を一人で探すには限界がある。
もう日も落ち辺りは暗くなってしもーておるし・・・
「あー、猫スケ、さっき怒鳴っておいてこんな頼みするのはアレなんじゃが・・・」
「爺だけだと自分が迷子になりそうだからね。探すの手伝ってやるから、ほら、早くしなよ」
玄関で手招きする猫スケ。
・・・恩に着るぞぃ・・・
猫スケに聞こえんように小さく呟くとワシも玄関のドアの前に立つ。
ドアのノブに手をかける。
あの子らを見つけたら何と声をかけようか・・・
いや、考えることもあるまいて。
素直に謝ればええ。
それから・・・家に帰ったら腕によりをかけた暖かいスープでも作ってやるかの。
ガチャ!
ドアを勢いよく開け放って外に出る。
ワシの大事な孫を探すために・・・
ワシの大切な家族を探すために・・・!
パァーン!
パパァーン!
パァーン!
「ぬおっ!?」
ドアを開けるとワシに向かって紙袋が破裂するような音が一斉に鳴り響いた。
数秒間をおき、落ち着いてあたりを見回すと家の前に黒山の人だかりができておった。みな知った顔じゃった。
その中にはマリエルや、ウチのモグまでおる。
その一団の中から3人のタルタルが前に出た。
「おおつぶ・・しびきち・・それに、こつぶ・・」
家出したはずの孫らじゃった。
3人は玄関から出る途中の体勢のまま固まったワシの前まで来ると、ワシを見上げてニンマリと笑顔を見せた。
「せーの・・・」
真ん中におったこつぶのその言葉に続いて
「「「「「「「「「「「「お誕生日、おめでとーーーっ!!」」」」」」」」」」
その場におった全員が大きな声と拍手でワシを出迎えた。
まわりはクラッカーの音や拍手の音、「おめでと〜」なんかの言葉で溢れておる。
その対象であろうワシだけが目を丸くしてドアのノブを握りしめた状態で固まっておった。
「こ、これは・・・!?」
混乱する頭をなんとか落ち着かせる。
「ぷぷ!じっちゃんビックリしてるですね。大成功なのです!」
こつぶが嬉しそうに言う。
「じっちゃんにずっと隠れて準備してきた甲斐があったっす!」
おおつぶも嬉しそうに言う。
「こつぶ、おおつぶ、しびきち・・・家出したんじゃ・・・」
「家出?何のことっスか?」
しびきちが首を傾げる。
「・・・・・」
・・・フっ・・・そういうことかぃ・・・・・・
そういうことなんかぃ・・・・・
ふつふつと怒りがこみ上げてきよる・・・
そして、怒りの発端であろう人物にこの怒りをぶつけねばなるまいて・・・
その者の名は・・・
「猫スケェェーーーっ!!」
くわっ!っと後ろを振り向くとそこには腹を抱えて床をバンバン叩いておる猫スケがおった。
「それじゃあ私も帰るわね」
「今日はありがとうのぅマリエル」
玄関先で最後まで残っておったマリエルを見送る。
あの後、ワシの誕生日に駆けつけてくれたみんなは盛大なパーティーを開いてくれた。
ワシをビックリさせようとかなり前から孫らとマリエルが中心となって用意をしていてくれてたようじゃ。
猫スケにワシを足止めさせてチャイムで準備ができたことを知らせるなど、計画もかなり練ったもんじゃった。
まぁ猫スケの思いつきで騙されることにもなったんじゃが・・・
遠方からはるばる訪ねてきてくれた者もおった。
嬉しかったのぅ・・・
「ううん、いいのよ。それに言い出したのはあの子達だしね」
そう言ってもう疲れて寝ておる二階の孫らの部屋を見上げる。
「そうじゃったのか・・・」
「あの子達のためにも長生きしなきゃね、お爺ちゃん」
「じゃの」
ふふっ、と二人で笑う。
「それじゃ、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
ドアを閉めて居間に戻る。
廊下に落ちておるクラッカーの中身の切れ端やこぼれたジュースの染みが賑やかさを思い出させる。
じゃが、明日も一度ちゃんと掃除せねばの・・・
「ふぅ・・・」
居間の椅子に座って一休みする。
夕方と同じように暖炉の上にある写真立てに目をやる。
そこには変わらぬ孫らの笑顔があった。
・・・そうじゃな。
猫スケが言っておったが、あの子らが少なくとも今頼っとるのはワシなんじゃ。
そのワシが死んだら、幼いあの子らにまた悲しい思いをさせてしまう。
親を失う悲しみをあの子達は幼すぎるときに体験しておる。
せめて、ワシが死んであの子達が悲しむのは、あの子達が十分大きく、強くなってからでも遅くはあるまいて。
「さて・・・ワシも寝るかの」
腰を上げるとポケットから一枚のカードがヒラリと落ちた。
「ん?これは・・・」
カードを拾い上げて裏返すと何か書いておる。
「・・・フッ、あいつめ・・・」
『せいぜい長生きしなよ。爺』
名前がなくとも誰が書いたかすぐわかるバースデーカードをポケットに戻してワシは部屋の明かりを消した。
〜おわり〜
〜〜〜言い訳がましい後書き〜〜〜
書き始めたときはすぐ終わる予定だったんです。
でも書いていくうちに
「あ、ちょっと長くなってきたかな?」
「あ、だいぶ長くなっちゃったな・・・」
「うわ!長っ!なんだこれ!」
・・・・・
分けようかとも思いましたが、2話の後書きで
「次で終わり」なんて言ってしまいましたしね・・・バカです(-_-;)
Kotsubu > いくらでも長くなってもかまわないですよー( ̄▽ ̄)ノ ちょびっとだけ想像してたですけど、やっぱり書き方が上手ですよね、ジーンとくるです。 (11/22 10:39)
Ootsubu > なんだか、増えていたんでそっと削除しましたっス。 (06/11/23 13:09)
名前
来客
(open)
11/05 01:35(3)
ピンポーン。
ピンポンピンポーン。
ピンポンピンポンピンポーン。
「はいはい、今あけるからそんなに鳴らさんでもええ」
やたらめったらチャイム鳴らすのぅ。
ガチャ。
「こつぶどこに行って・・・」
いつもこつぶたちが帰ってきたときは下を向いて出迎える。
あの子らちっこいからの。
じゃが下を向いた目に映ったのはフリフリ動く尻尾じゃった。
「なんだ、生きてたのか。あと一回鳴らして出なかったら葬儀屋に行こうと思ってたよ」
「お前か・・・紛らわしいときに来るでない」
ドアの前に立っておったのは猫スケじゃった。
「なんじゃ?ワシはこれからつぶらを探しに行くんじゃが」
「ああ、そのことで来たんだよ」
「つぶらがどこ行ったか知っておるのか?」
「まあね。でも・・・」
「・・・?」
「相変わらず気の利かない爺だなー。お客が来たんだからお茶でも出しなよ」
腰に手を当ててわざとらしくヤレヤレとため息をつきおる猫スケ。
「ぐっ・・・そっちこそ相変わらずムカつく態度じゃの!」
「何か言った?」
まぁつぶらのことを何か知っておるようじゃし、話だけでも聞いてみるかの。
「・・・勝手に上がれい」
「お邪魔しまーす♪」
「ほれ、お茶入ったぞい」
「ん」
ぬるめのお茶と茶菓子を居間に運んでくると猫スケは暖炉の上の写真を手にとって見ておった。
写真を置いてテーブルにワシと向かいに座る。
「あの子達がここに来て結構経ったね」
「そうじゃな。その頃に比べたら大きくなりおったわい」
「そのうち爺なんか相手にされなくなるね」
「・・・たしかにそうかもしれん。じゃが!今はまだまだワシが面倒を見てやらねばならん歳じゃ。で?こつぶ達はどこ行ったんじゃ?」
単刀直入に本題に入るワシ。
「え?あ、ああ・・・うん」
つぶらの行き先を聞いた途端口ごもる猫スケ。
「あのー、さ。探しに行かなくてもいいんじゃない?そのうち帰ってくるよ」
「・・・は?」
予想だにせんかった答えにワシは少し目を丸くしてもうた。
「何言っとるんじゃ。もう五時、いや、猫スケにお茶なぞ出しておったからもう六時じゃ。さすがにマリエルと一緒といえど何かあったのかもしれん。どこにおるんじゃ。知っておるんじゃろ?」
「いやー、まあ知ってるといえば知ってるけど、知らないといえば知らないような・・・」
ごにょごにょと語尾を濁す猫スケ。
「何なんじゃ、はっきりせい!猫スケらしくもない」
「うん、まぁ、さ。そのー・・うん」
曖昧な答えだけを返して時計をチラチラ見ておる。
「ええい、もうええ!ワシは探しに行くぞい!」
ガタン。
猫スケの煮えきらん態度にワシは席を立った。
「いや、もうちょっと待った方が・・・」
猫スケも立ち上がってそう言ったとき
ピンポーン。
今日二度目のチャイムが鳴った。
〜続〜
〜〜〜後書き風味〜〜〜
つぶおれのお話の中の猫さんしか知らないので猫さんのキャラがどんなのか
いまいち掴めてないですね(-_-;)
「こんなの猫さんじゃないやい!」って思うかもしれませんが・・・
目をつぶってやってください(゜▽゜;)
次の3話目で一応完結ですばい。
Kotsubu > ヒレンくんのお写真を1枚いただきました。不都合があればゆってくさい。(と、あてくんとこにも書きました。てか、写真はあてくんとこからいただきました。) (11/05 14:44)
hiren > もともと詩人AFの写真として提供しようかとも考えていたものなので、全然問題ありませぬぞ( ̄▽ ̄) (11/05 19:42)
hiren > そして「もうひとつの〜」の背景が妙にはまっているのに笑ってしまいましたъ(`ー゜) (11/05 19:46)
名前
回想
(open)
10/31 14:16(2)
ガチャ。
「おーい、こつぶー」
つぶらの部屋のドアを開けても誰もおらん。
ガチャ。
「しびきちやーい」
台所をのぞくも・・・誰もおらんか。
ガチャ。
「おおつぶー?」
寝室にも誰もおらなんだ。
「なんじゃ、三人ともおらんのか・・・」
久しぶりに皆で買い物にでも出かけようかと思ったんじゃがのぅ。
「おお、モグや、つぶらどこ行ったか知らんかのぅ?」
フヨフヨと家の中を飛んでいたモグに聞いてみる。
「こつぶさん達ならマリエルさんとどこかへ出かけたクポ。モグもこれから出かけるクポ」
そっけなくそれだけ言うとまたモグはフヨフヨとどこかへ飛んでいきおった。
「・・・なんじゃ、ワシ一人か・・・」
パタンと読んでいた本を閉じて老眼鏡を外す。
「ふぅ・・・」
孫らが家におらんのですることもなく、読みかけの本を読んでおった。
ゆっくりとお茶をすする。
フと暖炉の上の写真立てに目をやる。
そこにはワシと、楽しそうな笑顔を向けるこつぶおおつぶ、それにしびきちの四人が写っておる。
この写真を撮ったのもかなり前じゃったな。
あの頃に比べれば孫らもずいぶん大きくなりおったわい。
最初、あの子らが家に来たときはてんやわんやじゃったのぅ。
ルシエルが子供のときも世話は婆さんにまかせっきりじゃったから子育てのことなんぞなんもわからんかった。
それこそワシにとっては子育てという名の冒険じゃったかな。
ふっ、と笑いを漏らす。
またゆっくりとお茶をすする。
「あの子らがもっと大きくなって、家を出るようになる時期もそのうち来るんじゃろうなぁ」
ルシエルが家を飛び出した後は独りでの生活に慣れておったが、今は孫らがおらん生活など考えられんようになってしもーた。
きっと、そのときは寂しくなるんじゃろうな・・・
「それにしてもつぶら遅いのぅ。マリエルと一緒なら心配ないとは思うんじゃが・・・」
時計を見ると五時になる少し前じゃった。
「探しに行ったほうがいいかもしれんの」
ピンポーン。
椅子から重い腰を上げると同時に玄関のチャイムが鳴った。
「お、噂をすればなんとやら。帰ってきたかの」
〜続く〜
〜〜〜後書きっぽい何か〜〜〜
今回はハルトマンさんをメインにしてみたり。
前回とはちょっと趣向を変えて寂しい感じを出したかったんですが・・・
どうでしょうか(;゜ー゜)
次回「来客」に続く・・・かも(-_-;)
Kotsubu > お( ̄▽ ̄)楽しみだ〜♪ (10/31 14:31)
Kotsubu > 好きなように好きなこと書いてくさいな。 (10/31 14:35)
Ootsubu > Hiren (11/02 15:27)
Ootsubu > (↑まちげぇた) (11/02 15:28)
Ootsubu > (く・・・またやっちまった。)Hirenの図書館と言うコーナーなど作る用意かなぁなんと思う今日この頃っス(そっとプレッシャ〜?) (11/02 15:29)
Kotsubu > ↑Σ( ̄ロ ̄lll) それも面白そうですな、しかしかかし、やっぱりブレッシャ〜になりそうな予感。 (11/02 15:36)
Kotsubu > しかしかかし、まりえるんも笹銀もおおつぶちんの一言じゃなかったっすかね?( ̄▽ ̄;; (11/02 15:36)
hiren > 勝手に書かせてもらっている身なのですから、こつぶさん達のお好きになさって下さい( ̄▽ ̄) (11/03 15:31)
hiren > むしろ光栄・・・(*´Д`*)でも更新速度は亀並みかもですよ?(-_-;) (11/03 15:32)
Hartmann > 誰が来たんじゃろね・・・ドキドキ (11/03 23:09)
hiren > ガチャ。「ハルトマンたん!いざ、もーにんぐきっす!!」ってオチかもしれませんよ?( ̄ー ̄)にやり (11/04 00:56)
Shirokuro > 煤i ̄□ ̄; (11/04 22:32)
名前
もう一つのパラダイス
(open)
10/13 17:50(1)
「むにゃむにゃ・・・あ〜・・・もう朝かぁ・・・」
朝 いつものようにベッドの上で目を覚ます。
いつものように、いつものセリフを吐くオイラ。
朝は実は苦手だったりする。
「・・・んむ・・・んぬぅ・・・」
誰かの声にふと気がつけば、オイラの隣で何かがもそもそと動いている。
なんだろう?
そっとフトンをめくってみるとそこには部屋の光を反射するサッカーボールぐらいの球体が・・・
・・・・・
なんだこれ?
ガバッ!!
思いっきりフトンをめくると・・・!
「・・・ぬぅ、冷えるな・・・」
上半身裸の禿げガルカが窮屈そうに眠っていた・・・
サッカーボールだと思ったのはガルカの頭だった。
オイラは思わずフトンをかけなおしていた。
全力で。
待て待て!!おかしいだろ!!!
必死に今の状況を整理しようとするけど頭が回らない。
滝の汗を流しながら頭を抱えていると禿げガルが目を覚ました。
「む・・・おぉ!おはよう!ルシエルたん!」
「お、おは、おはよ、う」
むさい禿げガルに「ルシエルたん」と呼ばれた瞬間鳥肌が立ったけどとりあえず返事をする。
「ん〜〜」
すると禿げガルが目をつぶりながらにじり寄ってきた!
心なしか口を突き出して・・・
ズザザザッ!
生命の危機を感じ取ったオイラは部屋の隅へ自分でも信じられない速さで逃げ込んだ!
「ななななな何おし、してるんだ?」
「何って・・・決まってるだろう。目覚めのもーにんぐきっすだ」
そう言うと逃げられないように両手を広げながらさらに禿げガルはオイラににじり寄ってきた!!
上半身裸で口を突き出しながらにじり寄るガルカ。
「ひぃぃいいいぃーーーっ!!!」
あまりの恐怖で気がおかしくなりそうになったそのとき
ドゴーン!!
部屋のドアがブチ破られオイラと禿げガルの間を飛びぬけていった。
「な!なな!?えぇっ!!?」
何が起こっているのかと混乱していると、モウモウと立った煙から人影が見えた。
「がははは!!ルシエルどん!起きたかーーっ!」
そこに立っていたのはもう一人の禿げガルカだった。
しかもこいつは(強制削除)にエプロンという破壊力抜群の格好をしてる。
は・・・吐き気がしてきた!
一体なんなんだこいつらは!
「ルシエルどん!飯が炊けたでな!ワシと一緒に食おうぜよ!!」
そう言ってエプロンガルカは山盛りの茶碗をオイラに突き出した。
「日ごろ溜めておるワシの『汗』で炊いたから栄養満点じゃい!がははは!!」
グイグイとオイラに押し付けられる山盛りご飯からは黄色い煙が立ち昇ってる・・・
調理の知識も錬金術の知識もないオイラだけど分かる・・・
コレを食べたら死ぬ!!確実に!!
「何を言うか。ルシエルたんはまず俺ともーにんぐきっすをするのだ」
グインと肩を回されると目の前まで迫ったガルカの口が!!
「ぎゃぁあああああぁああぁあー!!!」
魂までも吸い取りそうなその口が押し付けられる寸前で
ドゴーン!!
今度はドアじゃなく部屋の壁がブチ破られて、またガルカが現れた。
まだ出てくるのか!!
今度のガルカは禿げガルじゃなかった。
今にもはじき飛びそうな小さいワンピースに身を包んだおさげ髪のガルカだけど・・・
ズレてるよアンタそれ!!そのヅラの下からしっかり頭皮が見えてるし!!
「おにぃぢゃぁーーん!!」
そのガルカはオイラにキスという名の処刑をしようとしていた裸ガルカにショルダータックルをくらわせた。
裸ガルカが吹っ飛ぶ。
「ハァ、ハァ・・・おにいぢゃん。アダイというものがありながら・・・」
血走った目でオイラの方をゆっくり振り向くおさげガルカ。
こわっ!!
てかおにいちゃんってオイラのこと!?
明らかにオイラよりアンタ年上だろ!!
「あだい・・あだいもう我慢でぎぬぁあーい!!」
ビリビリとワンピースを引き千切るとオイラに向かって飛びかかるおさげガルカ。
「ルシエルどん!飯じゃ〜〜!!」
猛毒薬を手に飛びかかるエプロンガルカ。
「いざ!もーにんぐきっす!!」
口を突き出して飛びかかる上半身裸ガルカ。
あぁ・・・走馬灯が見える・・・
今にもオイラに激突しそうなフライングガルカ×3+(汗ご飯&ヅラ)
それを見てオイラの意識は遠のいていった・・・・・・・・・・・・
「うわあああああぁああああぁあぁぁあ!!!!!」
ガバッと体を起こす。
そこはオイラのベッドの上だった。
「はぁ、はぁ、はぁ・・」
荒い息をつくオイラの横でカッツェナージェがびっくりして耳をピンと立てている。
「ど、どうしたんですか?ルシエルさん。怖い夢でも見たんですか?」
「ゆ、ゆめ・・・?」
夢・・・夢だった・・・のか。
・・・よかった・・・本当に、本当によかった・・・夢で・・・
「???変なルシエルさん」
少し涙ぐむオイラの傍でカッツェナージェが微笑む。
「なんだかよくわからないけど、ご飯にしましょう」
「あ、ああ、そうだね。すぐ行くよ」
「あ、そうそう」
部屋を出ていこうとしたカッツェナージェが振り向きオイラにこう言った。
「今朝早く、お友達が来たんです。ガルカばっかりですけどよろしくお願いします」
・・・・・・・・え?
こうしてオイラの人生最悪の一日が幕を開けた・・・
終
〜〜〜あとがきを利用した陳謝〜〜〜
話をお借りしてしまいました(-_-;)
なによりルシエルさん・・・ごめんなさい・・・
Kotsubu > 思わずモニターの前で『(▼∀▼)ニヤリッ』としていたですよ。いや、これは (・∀・)ィィ!! (10/13 19:26)
Shirokuro > ぐっはあははははああああああきゃあああはははははは!!!!!!!! (10/13 19:27)
Shirokuro > さ、最高です!(;゜ロ゜) (10/13 19:27)
Kotsubu > ミスランパラダイスだから『ガルカンパラダイス♪』ですかね?ガルカンてガルカのエサが入ってそう・・・。 (10/13 19:32)
Luciel > !Σ( ̄口 ̄;; いやぁぁぁあああああああああああ..・ヾ(。><)シ ぎょぇぇぇ (10/13 20:29)
Xephon > 笑いすぎ・・w腹痛い・・ww (10/14 04:42)
hiren > (*゜ー゜)どもです。でもルシエルさんにはちょっと(?)酷い目に合わせてしまいましたね・・・(・_・;) (10/14 22:51)
hiren > さらに謝るなら・・・かなりスラスラ書けてしまいました( ̄▽ ̄;) (10/14 22:53)
Kotsubu > スラスラ書けるのは面白いからヨシ!( ̄▽ ̄)b (10/15 08:24)
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