つぶsと愉快な仲間たち Member ListProfile : Mariel
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Mariel さんの日記。(5件表示)

12/02 07:27(open)12/02 08:16(94)
国中がクリスマス一色に染まっている。
私はパ−ティーの買い物を終え、家路に着きながらそれらを見ていた。

「ついに今日、ね・・・。」





「ただいま〜。」

「おかえりなさい、おか〜さん。」

家に帰ると、小さなお姫様が出迎えてくれる。
今年で5つになる娘、私の宝である。
とっても可愛いのだけど、今は少し困っている。
それは・・・

「ねぇねぇ、サンタさん来るよね?」

「そうねぇ、良い子にしてたら来るわよ。」

「じゃあ、私のとこには来てくれるね♪」

そう、幼稚舎でお話を聞いたのです。
そして信じてしまったのです、サンタクロースを。
私もこのぐらいの時は信じていましたけど、当時の親の気持ちが良くわかります。

「でも、私の欲しい物はすぐ貰えないかもしれないけどなぁ。」

「ん〜?何が欲しいの?」

「ないしょ〜♪」

教えてくれないのは困ります。
しかも、「すぐ貰えない」となると今すぐにでも聞き出したいのですが、口が堅いのです。

「お母さん知りたいなぁ、教えて。」

「ダメだよぉ、貰ったらお母さんにも見せてあげるね。」

「う、うん、楽しみにしてる。」

幼稚舎の先生は、どんな風に話をしたのでしょうか。
内容の次第によっては、恨むだけでは済まないかもしれません。

「でも、サンタさんもわからないと困るでしょ?」

「う・・・。」

今日はもう一手打ってみます。
効果があったのか、娘の顔が困ったものになりました。

「で、でもでも、お母さんには内緒なの・・・。」

「ん、じゃあ、お手紙に書いて渡してくれる?
 お母さんがサンタさんに宛てに出しておくから。」

「うん、お手紙書く〜!」

娘は奥に行くと、手紙を書きに行きました。
しばらくして、お気に入りのレターセットの便箋を手渡してきました。

「お母さんは中を見ちゃダメだからね!」

「はいはい。」

それからしばらくして、娘は寝る時間になりました。

「お手紙出しておいてね。」

「わかってるわ、おやすみ。」

「おやすみなさ〜い。」

娘が寝付くのを確認すると、私は居間で手紙を見ることにしました。

「さて、お姫様は何が欲しいのかしら?」

便箋を開き、中の手紙を取り出して開いた瞬間、私は固まりました。

「こ、これは・・・・・。」



クリスマス当日、私は憂鬱でした。
娘の欲しい物を用意できなかったのです。

「おか〜さん、今日は夜中にサンタさん来るんだよね??」

「そ、そうね・・・。」

期待に目が輝いています。
あまりの眩しさに言葉が濁る私・・・切ないです。
そんな時、玄関が開きました。

「ただいま〜!」

「おかえりなさい、おと〜さん。」

亭主が帰ってきました。
普段は冒険者として、あちこちを歩き回る困った人です。

「お帰りなさい。」

「2人とも元気そうだなぁ、お姫様は大きくなってなぁ!」

娘を抱き上げながら、亭主は笑顔で私を見ます。
何かに気づいたのでしょうか、娘を下ろすと私に近づいてきます。

「どうかしたのか?」

「ち、ちょっと・・・。」

亭主は荷物を下ろすと、娘にこう言いました。

「お母さんとお話したいから、荷物をあっちに運んでおいてくれるかな?」

「うん、任せて!」

「いい子だ、任せたよ。」

少しずつ運び出す娘を見てから、亭主と私は寝室へと入ります。

「で、どうしたんだ?」

「あの、あの子のプレゼントについてなんです・・・。」

私は手紙を渡しました。
亭主は受け取って中身を見た途端、笑いました。

「あはははははははは!!」

「な、何で笑うんですか!?」

「すまんすまん、確かに困るよなぁ。」

今の今まで悩んでたのを、こうも豪快に笑い飛ばされると泣きたくなります。
目が潤んでしまったのでしょう、亭主は私を抱き寄せます。

「まぁ、俺に任せておけ、な?」

「はい・・・。」


その夜は、久しぶりの家族水入らずのパーティーで盛り上がりました。


翌朝、娘が泣きそうな顔で起きてきました。

「おはよう、どうしたんだ?」

「おはよう、ってあらあら。」

「サンタさん来なかったよ・・・。」

亭主は娘に近づいて、抱き上げました。

「サンタさんは来たぞ。」

「嘘だよ!だって、プレゼント置いて行ってくれなかったもん!!」

興奮した所為か、娘の目からは涙が流れてます。
仕方ないのですが、私は心苦しくなってしまいます。

「違うんだよ、いいかい?」

「ん・・・。」

「サンタさんはプレゼントを置いて行ってくれたんだ。
 でもな、それがお前の前に現れるまでは時間がかかるんだ。」

「・・・・・。」

「大丈夫、必ず現れるから。」

「わかった・・・。」

「よし、良い子だ。」

亭主が娘の頭を優しく撫でると、娘はくすぐったそうにしました。

「さぁ、朝ご飯にしましょう。」

「そうだな。」

「は〜い。」

またいつも通りの日常が始まります。
亭主はまた冒険に出かけ、私は子育ての日々。
でも、1つだけ変わった事があります。

それは、私の中でもう1つの命が育っている事。


『サンタさんへ

 おと〜とかいも〜とがほしいです』







<後書き>

クリスマスっぽくないですね・・・(TωT)
こつぶっちの読みきりに感化されて書いてみたのですが、ね。
私もあれだけの才が欲しいものです。

んでわでわ。

P.S
すぐに妊娠したかなんてわかりませんが、お話上の事なのでツッコミは不可です♪
Kotsubu > いやいや、感動ですよ。おかーさんの苦悩とおとーさんの笑いのとこが( ̄▽ ̄)  (12/02 09:08)
Kotsubu > 「サンタクロース」が入ったタイトルがよいですかねぇ?うむ、こりゃいいぞぉ♪ (12/02 09:08)
Kotsubu > このお話とは関係ないけど、最近えちぃお話書きたい衝動になられてるんだよねぇ、とは言え公開出来ないところがまたなんとも・・・( ̄▽ ̄; (12/02 18:22)
Ootsubu > 期間限定、リンク無しアドレスのページを作っちゃうとか・・・。サンタといえば北海道のどっかの町でサンタのお手紙を送ってくれるところがあったっスねぇ。 (12/10 16:22)

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