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Profile : Mariel
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Mariel さんの日記。(5件表示)
06/13 13:57
(open)
06/13 15:29(108)
クピピは見慣れた封筒を見て、しきりに首を捻っていた。
「む〜・・・ですなの。」
見慣れた封筒。
それは、天の塔で使われている物なのだ。
冒険者や要人に使われる事のある物で、そしてそれを宅配に持って行くのはクピピなのだ。
数日前に持っていったのだが、その中に自分宛ては無かった。
それどころか、書記官であるクピピに届いたのは今回が初めてである。
「とりあえず、中を見てみるなの。」
中身を破かない様に、慎重に封を開けていく。
手紙を取り出すと、確かに頭には『クピピ様へ』と書かれていた。
「どれどれなの・・・。」
『クピピ様へ
いつもお仕事頑張ってくれてありがとう。
その感謝の気持ちを込めて、貴女をお茶会にお誘いしたいと思います。
○月○日の○時に私の部屋まで来て下さい。
貴女の大好きな『ロランベリー』を使ったお菓子を用意して待っています。
星の神子』
全てを読み終えた時、クピピの手から手紙が落ちた。
そして・・・
「神子様からのお誘いですなのーーーーー!!!!!」
驚きのあまり叫んだのだった。
しばらく硬直してたが、我に返ると手紙を拾って封筒に戻した。
それを机の上に置き、クローゼットを開けた。
「ど、ど、どうするなの?!
洋服はどうすればいいのなの?!」
片っ端から服を取り出し、ベッドの上に重なっていく。
普段着で行けないと思うのは、相手が国のトップと言う事と『お茶会』と言うのが頭にあった。
自分以外にも客がいるかもしれないのだ、綺麗な格好をしたいと思うのが女性であろう。
クピピもまた、普通の女性と変わらなかった。
「うわぁーん!
こんな事なら、まとめてロランベリー買い込むんじゃなかったですなの〜〜〜!!」
恨めしげに、部屋の隅にある箱を見る。
『ロランベリー』と書かれた箱が3箱置いてあった。
この間の給料で買ってしまった、新鮮な一品達である。
「う〜、困ったですなの・・・・・。」
そんなこんなで、お茶会前日。
今日もお仕事に励んでいるクピピだが、頭は明日の事でいっぱいだった。
そんな時である。
「郵便です〜。」
「・・・・・・・。」
「クピピさん?」
「あ・・・?」
名前を呼ばれたので、声の主に視線を送る。
そこには、珍しい物を見たと言う表情の郵便配達人がいた。
「郵便です。」
「あ、ありがとうなの!」
「それでは。」
何事もない様に立ち去った配達人だったが、クピピは恥ずかしかった。
彼は結構口が軽いと言われてるのだ、笑い話の種にされるのがわかったからである。
「う〜、失態ですなの・・・。」
思わずよろめきながら、届けられた手紙を見る。
全部で9つ、全てが神子宛てだった。
「4つの院長に、3博士、ヴァシャイ族長様にセミ・ラフィーナ様・・・。」
耳の院の院長は行方不明、と書類上なってる。
その為、現在は3博士の1人・コルモルが院長をやっていた。
クピピはそれらを持ち、神子の部屋と向かった。
「神子様、お手紙ですなの。」
「どうぞ・・・。」
扉が開かれ、中へと入ると扉が閉められた。
神子の下まで行くと、手に持った手紙を手渡した。
「こちらですなの。」
「ありがとう。」
神子が微笑んで受け取ると、クピピは嬉しくて頬を染めた。
微笑んだまま、神子は尋ねた。
「クピピはお茶会来てくれますか?」
「もちろんですなの!」
「良かった、お待ちしてますね。」
「はいなの!失礼しますなの!!」
嬉しさのあまり、大声とオーバーすぎる礼をして部屋を出た。
この時、クピピの頭には先ほどの手紙の事はすっかり抜けていた。
一方、神子は手紙の封を開けていく度に表情が曇っていった。
9つの手紙の内容は、文面こそ違えど全て同じなのだ。
「欠席、ですか・・・。」
神子は寂しそうに呟いた後、手紙をファイアで燃やした。
これ以上見ると、泣きたくなってしまいそうだった。
お茶会当日。
クピピなりに精一杯のお洒落をして、神子の部屋の前に立っていた。
お茶会の時間5分前、相手が相手だけに遅刻は絶対に許されないと思っていた。
「神子様、クピピですなの。」
「今開けるから待っててくださいね。」
「はいなの!」
扉が開かれると、そこには神子が少しだけお洒落をして立っていた。
「今日はお招きありがとうございますなの。」
クピピは頭を下げると、神子は優しい口調で答えた。
「今日は来てくれてありがとう、クピピ。」
神子はクピピを席に招くと、互いに向かい合うように座る。
部屋の中には2人しかおらず、クピピは不思議な感じがした。
「今日はクピピしか来ないのです。」
「そうなんですかなの?」
「えぇ、皆忙しいらしくて・・・。」
先日の手紙を思い出した。
全部で10人来る予定だったのだろう、神子も寂しそうであった。
「み、神子様・・・。」
「ごめんなさいね。
今日はクピピの為に美味しいお菓子を作ったのよ。」
暗くなった空気を払拭し様と微笑みながら、そう言った。
出されたのはロランベリーパイ、甘い香りがしてクピピの顔が蕩けそうになる。
「ロランベリーパイなの〜!」
「えぇ、私の手作りなんですよ。」
「凄く美味しそうですなの〜♪」
「いっぱい作ったから、沢山食べてくださいね。」
慣れた手つきでウィンダスティーを入れながら、神子はそう言った。
「いただきますなの〜。」
「はい、召し上がれ。」
大好きな神子と、大好きなロランベリーパイ、クピピは幸せだった。
「神子様、とっても美味しいですなの〜♪」
「お菓子作るのが好きなの、私の趣味なんですよ。」
「クピピ、幸せですなの〜♪♪」
美味しいお茶と、楽しい会話をしながら、時間はどんどんと過ぎていく。
開始から2時間もした頃だろうか、クピピの顔が引きつっていた。
「み、神子様・・・。」
「どうしたの?クピピ。」
「あ、あの、あの、その、なの・・・。」
開始した時から、クピピが食べ終わると新しいパイを置いていく神子。
その数は既にダースを超えていた。
好きな物と言えど、お腹には限度があるわけだが言い出せずにいた。
「も、も、もう・・・。」
「クピピ?」
「ダメ・・・なの・・・けぷ。」
クピピはその場に倒れてしまった。
リスの様に、パイで両頬を膨らませたまま・・・。
気が付いた時、クピピは自宅のベッドで寝ていた。
お洒落な服はハンガーにかけられ、今はパジャマを着ていた。
「食べ過ぎて倒れたのは覚えてるなの・・・。」
誰が運んでくれて、着替えさせてくれたのだろうか?
頭を捻ってる中、ドアがノックされた。
コンコン!
「どうぞなの〜。」
ドアを開けて入ってきたのは、セミ・ラフィーナだった。
手には花を持っていた。
「セミ・ラフィーナ様?!」
「クピピ、体の調子はどう?」
「まだちょっと胸が苦しいなの・・・。」
花をクピピに手渡すと、セミ・ラフィーナは頭を下げてこう言った。
「ごめんなさいね、クピピ。」
「どうして謝るですなの?」
「私は、神子様のお茶会から逃げたのです・・・。」
「!?」
クピピの表情が驚きに変わった。
ミスラでありながら神子を崇拝し、神子の護衛を任されている彼女が逃げたのだ。
その言葉は、クピピには衝撃的だった。
「お茶会は前回が初めてだったわ。
4つの院の院長と3博士にヴァシャイ族長に私が招かれたの。
お茶もお菓子も美味しかったのですが、量が半端ではなかった・・・。
招かれたメンバーは、食べすぎで3日ほど動けなかったわ。」
「な、なるほど、なの・・・。」
今回の自分とまったく同じパターンなのだ。
来なかった理由がわかったところで、クピピはセミ・ラフィーナに尋ねた。
「セミ・ラフィーナ様。」
「何?クピピ。」
「私を家まで運んで、着替えさせてくれたのは誰ですなの?」
「あぁ、私がやったよ。
神子様に『緊急事態』と言われて、慌てて戻ったのよ。」
「お世話をかけたなの・・・。」
「いいのよ、ゆっくり休んでね。」
セミ・ラフィーナはそう言って、クピピの家から出て行った。
再び1人になったクピピは、そのまま横になった。
次回からのお茶会は欠席しようと思いながら・・・。
3日後。
すっかり回復したクピピは、今日も天の塔で仕事をしていた。
「ほら、用があるならさっさと来るなの。」
<後書き>
タイトルは『神子様のお茶会』かな♪
前回の殺伐したのでしたが、今回はこんな感じにw
2時間でダースは、ゲーム上では食べれませんが・・・ってリアルも無理かも(゜▽゜;)
でわでわ♪
Xephon > 星の神子風ロランベリーパイか・・・隠し効果:3日間移動力‐99% AGL‐100 隠し効果発動条件=神子様のお茶会に参加すること とか(・ω・) (06/14 18:17)
Mariel > 星の神子風ロランベリーパイ:3日間移動不可 5日間ヘビィ&食事不可 かなぁ、あとは隠し効果:お茶会恐怖症とかw (06/14 22:16)
Xephon > 闇王突入後これ食べる勇者居るかな?w (06/15 14:30)
Mariel > まずいないかもw 食べたら勇者どころか神に認定してもいいかも、でも勝てないだろうねw (06/15 18:23)
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