つぶsと愉快な仲間たち Member ListProfile : Mariel
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Mariel さんの日記。(5件表示)

06/09 18:16(open)06/09 19:14(107)
この日のラテーヌ高原は雨だった。

テレポイントに現れた2つの影。
白を基調とした衣装に身を包んだ女の子。
黒を基調にした道着、虎の頭の被り物をした男の子。
一見すると子供のように見えるが、タルタル族の冒険者である。

「あ〜、もう!」

ラテーヌ高原に降りしきる雨を見て、女の子が不満の声を上げた。
道着の男の子はバツの悪そうな顔をした。

「あんたがのんびりしてるから遅れたんでしょうが!」

「も、申し訳ない、です・・・。」

「ったく、男のクセに支度が遅いってどう言う事よ!」

両手を上下に振り、怒りを露わにする女の子。
言われっぱなしでしょげていた男の子が、ここでぽつりと言い返す。

「・・・姉さんが変な事言わなきゃ良かったじゃないか。」

「あ”?」

「姉さんが『アンタの好きなジョブにしたら?』って言うからシーフにしたのに、
 『シーフ〜?モンクにしなさいよ、モンクw』とか言うからだろ!」

「何、私に逆らうっての?」

姉の顔に青筋が浮いていたが、弟も引かない。
彼も我慢の限界を迎えていたのだ。

「あ〜、そうだよ!
 だったら最初からモンクって言ってくれれば良かったんじゃないか!
 それで雨が降ってるだの、時間がかかっただのって言われたくない!!」

「ブッコロス!」

「何時までも、アンタに怯えてるだけだと思うな!」

テレポイントから降り、広い所で対峙する。
姉は片手棍と盾を構え、弟は格闘武器を手につけて構える。
周辺に不穏な空気と殺気が立ち込める。

「今謝れば、許してあげるけど?」

「冗談!今日こそ叩きのめす!!」

「貴様ごときが、私に勝てると思うな!」

互いに駆け出してぶつかり合う。
姉は白魔道士で、弟はモンク。
レベルという数字だけなら同じだが・・・。

「そらそらそらー!」

「ちぃ!」

手数で勝る弟が、これでもかと拳を繰り出してくる。
姉は押されてる様に見えるが、盾や片手棍で避けている。

(向こうには魔法がある、長期戦は不利!)

短期決戦で迫る弟だが、百裂拳は温存していた。
白魔道士が使えるフラッシュがくれば、ほぼ向こうにされてしまうからだ。
それに、姉の顔には余裕が見えている。

「そうやって、余裕を見せて・・・むかつくんだよ!」

「アンタとは潜り抜けた修羅場の数が違うのよ。」

「臼のくせに、黙って倒れてろよ!」

「だから何?悔しかったら倒してみなさいよ。」

このやり取りも姉の計算の上だった。
実際にはプレッシャーが激しいのを、涼しい顔をして皮肉っているのだ。
それに、彼女は魔法をまだ使っていない。

「はぁぁぁ!」

(ためるが来た・・・!)

盾を構え、次に来るであろう技に備える。
ためるで攻撃力を上げ、WS・夢想阿修羅拳を繰り出すのがパターンなのだ。
だが・・・。

「足元がお留守だぜ!」

「しまっ・・・!」

姉の視界から弟が消えた次の瞬間、姉の体が浮いていた。
そして、強烈な蹴撃が彼女を襲う!

「吹っ飛べ!」

「くぅぅぅぅ!」

咄嗟に盾で防御し、直撃だけは免れた。
しかし、予想と違う行動に怒りを覚える。

(生意気生意気生意気生意気生意気生意気生意気生意気!!)

「生意気だってのよ、クソガキが!」

顔を真っ赤にし、片手棍を握って走りこむ。
技を決めた弟は、少し冷静になっていた。

(ここだ!)

集中・回避・百裂拳を発動させて迎え撃つ。
姉が冷静でない内に決めようと言うのである。

「これで決める!
 そして、俺はアンタに勝つんだ!」

ぶつかり合う2人。
物凄い勢いで殴る弟と、されるがままになる姉。

(勝った!)

百裂拳の効果で、勝利を確信した。
懸念していたフラッシュが来なかったのだ。

(魔法無しでも勝てると思ったのか、甘すぎる!)

そう思うだけで、それについての思考を止める。
姉の体から力が抜けたのが見えた。

「これでとど・・・」

とどめ、とは言い切れなかった。
余裕を浮かべていた顔は、瞬時に苦虫を潰したような顔に変わる。

「祝福、か・・・!」

「あ〜っはっはっはっはっはっはっは!」

心底悔しそうな顔で睨みつける弟に、姉は高笑いで答えた。
その表情が見たかった、そう言わんとばかりに。
立場が逆転したと言わんばかりに、姉が続ける。

「どう?
 思い切り殴れた感想は?
 ヤバかったわよ、もうちょっとで逝くとこだったもの。」

「そうやってバカにして、そんなに楽しいのかよ!」

「えぇ、だってアンタってバカでしょ♪」

「そうやって見下して、だから許せないんだ!」

怒りを叫びながら、走り寄ってくる弟。
余裕の表情を浮かべつづける姉は、ゆっくりと詠唱した。

「フラッシュ」

「!?」

弟の視界が光に包まれる。
視界を奪われ、動きが止まった所に詠唱が続く。
そう、姉の必勝パターンに・・・。

「パライズ」

「スロウ」

「リジェネ3」

リジェネ3の詠唱中に、視力が回復した弟が襲い掛かる。
が、動きが止まった。

(く、くそ・・・!)

パライズの麻痺効果が働いたのだ。
攻撃間隔も遅くなり、声に出さず自分を罵る。

(くそ、くそ、くそ、くそ、くそー!)

「喧嘩はね、腕っ節だけじゃなくて頭も大事なのよ。」

それが、弟が最後に聞いた言葉だった。



「また、負けたのか・・・。」

雨はまだ降り続いていた。
彼の顔の周りだけ、雨以外のものも流れているように見えた。
だが、声は出なかった。

(次こそはかならず!)

と、リベンジを誓っている頃・・・

「あ〜、面白かった。」

ウィンダスの家に帰っていた姉は、1人愉快そうに笑っていた。

「ストレス発散したくなったら、またやろっと♪」

弟が勝てる日は遠い、かもしれない・・・・・。







<後書き>

久々に〜、タイトルは『姉弟喧嘩』かな。
てか、話が浮かんでこないw
実際には、こんな風にはいかないだろうなぁ・・・モンクvs白魔道士(´ー`)
Kotsubu > お話が浮かんでこない時はムリして書いてもイカンですよ♪  (06/10 10:35)
Kotsubu > デュオくんの初めて(?)の反乱をどきどきしながら読んだですよ、結局まりえるんがかつ・・・げふげふ!? (06/10 10:37)
白黒 > 以前バリスタで似たようなことやられました……MP尽きたから泣きながら逃げました……(ノ_;) (06/10 11:27)
Mariel > リアル喧嘩もこんな感じ、常に勝つのは私です♪ 腕力だけじゃ勝てませんけど、それだけじゃないからねんw (06/10 16:58)
Xephon > これ見たらなんとなくマリエルとバリスタやりたくなるね・・・w 早くFF復帰したいよ(⊃д⊂) (06/14 18:11)

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